はじめに
削除したWord文書を復元するには、まずごみ箱を確認し、その後、保存済みファイルを削除したのか、未保存の下書きを失ったのかを見極めます。Windowsのバックアップ、コマンドラインによる復元、ストレージのスキャンは、それぞれ異なるデータ消失状況に対応します。本記事では、この順序で5つの方法を紹介します。新しいデータによって復元可能な内容が上書きされるおそれがあるため、作業を始める前に対象ドライブへのファイル保存やダウンロードを止めてください。該当する最も簡単な方法から試し、作業を再開する前に、復元した文書をWordで確認しましょう。
Word文書に何が起きたかを確認する
一度保存した後に削除した文書には、ファイルの復元またはストレージからの復旧が必要です。一方、Wordが予期せず終了して失われた未保存の下書きには、Wordの「ドキュメントの回復」または「保存されていない文書の回復」を使います。見た目は似た状況でも、適切な復元経路は異なります。
- 通常の削除: まずごみ箱を確認します。
- 一度も保存していない、またはクラッシュ後に失われた: Wordの回復機能を確認します。
- ファイル履歴を有効にした後で削除した: バックアップコピーを復元します。
- 完全に削除した: 復元ツールを使用し、結果を別のドライブに保存します。
名前が変更されたファイルや移動されたファイルは、削除されていない場合があります。復元を始める前に、エクスプローラーでファイル名の一部を検索し、続いて
*.docx
と
*.doc
を検索してください。
適切な方法を選ぶ
| 方法 | 適した状況 | 有効性 | 作業量 |
|---|---|---|---|
| ごみ箱 | 最近削除したローカルファイル | 高い | 少ない |
| Wordの回復機能 | 未保存の下書きや予期しない終了 | 回復用コピーが存在する場合は高い | 少ない |
| ファイル履歴 | 既存のバックアップで保護されていたファイル | バックアップが有効だった場合は高い | 少ない |
| Windows File Recovery | 完全に削除したローカルファイル | 上書きやストレージの状態によって異なる | 多い |
| Fionn Data Recovery | 画面上でのスキャン、絞り込み、プレビューが必要な削除済み文書 | 簡単な復元で解決しない場合に実用的 | 中程度 |
方法1:ごみ箱からWord文書を復元する
使用する状況: ローカルドライブまたは接続中のドライブから文書を削除し、ごみ箱を空にしていない場合に使用します。
- デスクトップまたはWindows検索から
ごみ箱
を開きます。

- 文書名を検索するか、削除日時で項目を並べ替えます。
- ファイル名、元の場所、ファイルの種類を確認します。
- 文書を右クリックして 元に戻す を選択します。
- 元のフォルダーを開き、復元した文書をダブルクリックします。
確認: Wordで文書が開き、必要な最新内容が含まれていることを確認します。「元に戻す」を実行すると、項目は元の場所へ戻ります。
方法2:Microsoft Wordで未保存の文書を回復する
使用する状況: 文書を一度も保存していない場合、Wordが予期せず終了した場合、または直近の編集内容が消えた場合に、Wordの回復機能を使用します。ストレージから完全に削除された保存済みファイルを復元する機能ではありません。
- Wordを再度開き、表示された場合は ドキュメントの回復 ウィンドウを確認します。
- 日付と時刻を手掛かりに版を見分け、該当する最新のコピーを開きます。
- ウィンドウが表示されない場合は、 ファイル > 情報 > 文書の管理 > 保存されていない文書の回復 を選択します。
- 該当すると思われる文書を選び、 開く を選択します。
-
名前を付けて保存
を選択し、分かりやすい名前で回復したコピーを保存します。

確認: 新しく保存したファイルを閉じてから、もう一度開きます。Microsoftは、この手順を Wordファイルの回復に関する公式ページ で案内しています。
方法3:ファイル履歴でWord文書を復元する
使用する状況: 削除前にファイル履歴が設定され、Word文書の保存フォルダーが対象に含まれていた場合に選びます。データを失った後で有効にしても、以前のバックアップは作成されません。
- ファイル履歴に使用していた外付けドライブまたはネットワーク上の場所を接続します。
- Windows検索を開き、
ファイル履歴でファイルを復元
と入力します。

- 元のフォルダーを参照し、利用可能なバックアップの日付を切り替えます。
- Word文書またはその文書が入っていたフォルダーを選択します。
- 復元ボタンを使って、選択した版を復元します。
確認: 復元した文書を開き、内容と更新日時を必要としていた版と比較します。Microsoftの Windowsのバックアップと回復に関する案内 では、ファイル履歴が個人用ファイルのコピーを、設定済みの外付けドライブまたはネットワーク上の場所へ保存することを確認できます。
方法4:Windows File Recoveryでファイルを復元する
使用する状況: ローカルストレージから削除され、ごみ箱にもバックアップにも残っていないファイルを対象とする上級者向けの方法です。Windows File RecoveryはWindows 10および11用のコマンドラインアプリであり、クラウドストレージやネットワーク共有からは復元できません。
- 復元元とは異なる保存先ドライブを接続します。
-
Microsoft StoreからWindows File Recoveryをインストール
します。

- Windows File Recoveryを開き、アクセス許可の確認を承認します。
- ドライブ文字とユーザー名をご利用のパソコンに合わせて置き換え、対象を絞り込んだ次のコマンドを実行します。
winfr C: E: /regular /n \Users\<username>\Documents\*.docx /n \Users\<username>\Documents\*.doc - 復元の開始を求められたら、
Yを入力します。 - 保存先ドライブに自動作成された復元フォルダーを確認します。
確認: 候補ファイルをWordで開き、確認済みのコピーを復元元ドライブ以外へ保存します。Regularモードで何も見つからない場合は、Microsoftの資料に掲載されているExtensiveモードで、より広範囲を検索できます。
方法5: Fionn Data Recovery で削除したWord文書を復旧する
使用する状況: 保存済みのWord文書を削除した場合や、ごみ箱を空にした後で、画面上のスキャン、検索、絞り込み、ファイルのプレビューを利用したい場合に使用します。このWindowsデスクトップアプリはローカル環境で読み取り専用のスキャンを行い、ファイルをアップロードしません。
- Fionn Data Recoveryを起動し、復元するデータの種類または保存場所に適した復元オプションを選択します。

- 自動スキャンを開始し、選択した場所から削除済みまたは消失したファイルが検索されるまで待ちます。

- スキャンが完了したら、結果を確認してファイルをプレビューし、復元するデータを選択します。

- 復元したファイルを保存するフォルダーを選び、復元処理を開始します。

確認: 保存先フォルダーから復元した文書を開き、内容を確認します。復元前にプレビューすれば目的のファイルを見分けやすくなり、別のディスクを保存先にすれば、復元元へデータを書き込まずに済みます。
復元できる可能性を高めるポイント
- 対象ドライブでのダウンロード、インストール、文書編集を一時停止します。
- ストレージをスキャンする方法では、別の物理ドライブへ復元します。
- 元のファイル名が分からない場合は、拡張子で検索します。
- 復元完了と判断する前に、候補ファイルをプレビューするか開いて確認します。
- 復元後は、復元ソフトだけに頼らず、別途バックアップを保管します。
ソリッドステートドライブなどのストレージ条件によっては、復元ソフトでファイル名が見つかっても、削除済みデータを利用できない場合があります。したがって、検索結果に表示されたというだけでは、文書の内容が正常に残っている証明にはなりません。
まとめ
まずは、スキャンを行わずに元のファイルを維持したまま戻せるごみ箱を確認してください。未保存の作業内容やクラッシュ時に作成されたコピーにはWordの回復機能を使い、消失前のバックアップがある場合はファイル履歴を使用します。完全に削除した場合はドライブの使用を最小限に抑え、Windows File Recoveryまたは Fionn Data Recovery を試し、復元結果は別の場所へ保存してください。文書が開き、必要な文章、表、埋め込み項目が含まれていることを確認できて、初めて復元完了となります。すべての方法で復元できない場合は、ドライブへの書き込みを繰り返さず、その状態を維持して専門のデータ復旧業者へ相談してください。
よくある質問
ごみ箱を空にした後でもWord文書を復元できますか?
復元できる可能性はあります。復元元ドライブの使用を止め、既存のファイル履歴バックアップを確認してから、Windows File Recoveryまたはストレージをスキャンするツールを使用します。復元できるかどうかは、削除したファイルのデータが残っており、上書きされていないかによって決まります。
「保存されていない文書の回復」で削除したDOCXファイルを復元できますか?
通常はできません。「保存されていない文書の回復」は、Wordで作業中に作成された未保存の回復用コピーを対象とします。一度保存した後で削除したDOCXファイルは、ごみ箱、バックアップ、または元のストレージから探す必要があります。
ごみ箱から復元したファイルはどこへ戻りますか?
Windowsによって元のフォルダーへ戻されます。そのフォルダーを覚えていない場合は、復元前に「元の場所」列を確認し、「元に戻す」を実行した後で該当場所にファイルがあることを確かめてください。
復元したファイルを別のドライブへ保存する必要があるのはなぜですか?
復元元ドライブへ書き込むと、削除済みデータが占めていた領域が再利用される可能性があるためです。別の保存先を使えば、スキャン対象のストレージへの追加書き込みを減らし、ほかの復元可能なファイルを保護しやすくなります。
復元したWord文書を開けない場合はどうすればよいですか?
復元したデータが不完全または破損している可能性があります。元の復元済みコピーは変更せずに保管し、別の候補ファイルまたはバックアップ版を試してください。Wordの「開いて修復」は複製したファイルに対してのみ使用します。
Emily Carter